糖尿病は、血液に含まれる糖分(血糖)が多くなる病気です。食事を取ると健康な人でも食事で得た炭水化物などが消化され、ブドウ糖となって血液に入るため、血糖値(血液中のブドウ糖の量)が上昇します。通常は体内で生産されるホルモンにより、自然に血糖値が正常範囲に戻りますが、糖尿病の方の場合は血糖値が上昇したまま、次の食事を取る形になり、血糖値が上昇した状態が続きます。
糖尿病には大きく3つのタイプがあります
これは先天的な糖尿病で、本来体内で生産されるインスリンが生産されない、もしくはほとんど作ることができないインスリンの絶対的不足(インスリン欠乏)です。治療法はインスリン治療だけで内服薬にてコントロールできないものです。
インスリンの分泌低下や量が十分でない「インスリン分泌不全」か、インスリンが作用しにくい「インスリン抵抗性」で、ほとんどの糖尿病は2型で遺伝因子や生活習慣が原因とされています。内服薬にてコントロールする場合がほとんどで、内服でコントロール不良の場合にはインスリン治療も行います。
妊娠糖尿病 など
糖尿病は遺伝と生活習慣の両方が因子になると考えられています。糖尿病という病名から「お菓子やジュースなどの甘いものはいけない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、砂糖だけが原因ではありません。また、糖尿病の診断を受けた多くの方は「2型」です。特にご家族(父母、兄弟姉妹)に糖尿病の方がいらっしゃる場合は、遺伝による発症もありますので定期的な検査(人間ドックや健康診断)の結果を確認するよう、ご留意ください。
※インスリンとは
すい臓で生産されるホルモンです。食事を取り、上昇した血糖値を正常な範囲に保つ役割をしています。
糖尿病は自覚症状がほとんどない病気です。早期発見には健康診断が重要です。人間ドックや健康診断を受けると、検査結果が届きます。気になる方は、前回の健康診断結果を確認してみてください。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という過去1~2ヶ月の血糖状態がわかる項目があります。基準値は5.5以下です。
※健康診断では、HbA1cを検査していないことがあります。
HbA1cにはJDS値とNGSP値があります。JDS値は日本で決められた条件に従った測定値で、NGSP値は主に米国で決められた条件に従った測定値です。JDS値はNGSP値に比べ、約0.4%低値となります。これまで日本ではJDS値が使用されてきましたが、2012年4月より特定健診・保健指導におけるHbA1c国際標準化の基本方針(日本糖尿病学会)に伴い、国際的に使用されているNGSP値を日本でも使用する事になりました。
※JDS値が6.1%以上、NGSP値の場合は6.5%以上が糖尿病と判断されます。
糖尿病の検査では「正常、境界型、糖尿病」のいずれかに診断されます。
空腹時血糖は70~109が正常値です。
「紹介状」または「診療情報提供書」をご持参いただけると助かります。診療情報提供書には、患者さんの診療情報が記載されており、病状が把握しやすくなります。